知財管理技能検定1級ブランド専門業務試験合格への道かな?

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第26回知財管技検定1級ブランド学科試験問題 自分学習用解説 40問目 41問目 42問目 (後編)

(前編の続きです。)

 

 

第26回知的財産管理技能検定(4回目)1級ブランド専門業務学科試験の自分学習用解説 、今回は40問目、41問目、42問目の後編、41問目、42問目の説明です。

 

なお、問題の前提となる事項については、前回を御参照ください。

 

 

41問目は、今回マドリッドプロトコルによる国際登録出願を進めるにあたり、注意しておくべきことについて、「適切」な選択肢を選ぶ問題です。

選択肢アは間違いです。日本での基礎出願・基礎登録が欧米文字と日本語とで二段表記でなされた場合で、マドリッドプロトコルでの出願がその欧米文字表記部分だけでされた場合は、そのマドリッドプロトコル出願商標は、日本基礎出願・基礎登録商標とは異なるものとされ、その出願は認められません
選択肢イは間違いです。マドリッドプロトコルの出願での名義人は、日本の基礎出願・基礎登録の名義人と同一でなければいけません。もしY社に権利を持たせたいならば、商標権登録後に、X社はY社への権利の譲渡手続きをするしかありません。
選択肢ウは間違いです。中国もマドリッドプロトコルの加盟国です。ただ、指定国によってはその国独特の注意事項があります。個人的には、できるならば、この問題のケースの場合、アメリカと中国は、マドリッドプロトコルではなく、個別に直接出願した方が、管理がしやすいと思います。
選択肢エは正しいです。選択肢の文のとおりです。
よって、選択肢エが正しく「適切」なので、エが正解です。

 

 

42問目は、セントラルアタックについての発言の空欄に入る語句の組み合わせで、「適切」な選択肢を選ぶ問題です。

国際登録の保護において、国際登録日から「5」年間は、本国官庁における基礎出願・基礎登録に従属します。

また、マドリッドプロトコルでの国際登録が取り消されても、国際登録簿にその取消しが記録された日から「3」ヶ月以内に、各指定国への国内出願の変更の手続きを行うことで、国際登録日(又は事後指定日)を出願日として権利維持がはかれます
よって、空欄1が「5」、空欄2が「3」となるので、選択肢アが正しく正解です。

第26回知財管技検定1級ブランド学科試験問題 自分学習用解説 40問目 41問目 42問目 (前編)

第26回知的財産管理技能検定(4回目)1級ブランド専門業務学科試験の自分学習用解説 、今回は40問目、41問目、42問目の前編、40問目の説明です。

 

 

なお、40問目、41問目、42問目は、マドリッドプロトコルでの国際商標登録出願についての問題です。

問題の前提として、

①日本のアパレルメーカーX社は、新被服ブランド「KUTAM」(Uはウムラウト)を、日本、米国、シンガポール、中国、韓国で同時展開予定

②日本では、欧文字「KUTAM」(Uはウムラウト)のみならず、その称呼のカタカナ表記である「クータム」も使用する可能性が高い

③海外については、X社の子会社Y社が事業展開をすることになっている

となっています。

 

 

40問目は、マドリッドプロトコルでの国際商標登録出願制度のメリットについての選択肢の説明の文で、「不適切」な選択肢を選ぶ問題です。


選択肢アは正しいです。選択肢の文のとおりです。
選択肢イは間違いです。国際登録出願の審査は、国際事務局では方式審査はしますが、実体審査は国際登録出願の各指定国それぞれにおいてその国の担当官庁によって行われます。もっともマドリッドプロトコルの制度は比較的早期に権利化ができるようになっています。
選択肢ウは正しいです。選択肢の文のとおりです。
選択肢エは正しいです。選択肢の文のとおりです。
よって、選択肢イが間違いで「不適切」なので、イが正解です。

 

 

 

(後編に続く。)

第26回知財管技検定1級ブランド学科試験問題 自分学習用解説 38問目 39問目

第26回知的財産管理技能検定(4回目)1級ブランド専門業務学科試験の自分学習用解説 、今回は38問目、39問目です。

 

 

38問目、39問目は、商標の連邦商標出願に対しての米国特許商標庁(USPTO)からの拒絶理由通知(オフィスアクション)についての問題です。

 

 

38問目は、オフィスアクションの応答期限と空欄⑴に入る語句の組み合わせで、「適切」なものを選択肢を選ぶ問題です。

オフィスアクションへは、その郵送日から「6ヶ月以内」に対応しなければなりません。ISSUE/MAILING DATEは2/10/2016なので応答期限は「2016年8月10日」、空欄⑴に入るのは「6Months」、よって、選択肢エが正しく「適切」で正解です。

 

 

39問目は、このオフィスアクションの内容で、「適切」なものの選択肢を選ぶ問題です。

このオフィスアクションの英文を見てみますと、「DISCLAIMER REQUIRED」と書かれています。つまり「権利不要求が求められている」ということです。そして、各選択肢に目を向けますと、選択肢アには『商標「Software XOOXY」には記述的な表現が含まれていることから、出願商標の一定部分の権利不要求を求められている。』とあります。

よって、選択肢アがオフィスアクションの内容とあうので正しく「適切」と、なり、アが正解です。

第26回知財管技検定1級ブランド学科試験問題 自分学習用解説 35問目 36問目 37問目

第26回知的財産管理技能検定(4回目)1級ブランド専門業務学科試験の自分学習用解説 、今回は35問目、36問目、37問目です。

 

 

35問目、36問目、37問目は、米国の連邦商標登録についての問題です。

 

財務会計管理会計クラウドSaaS型ソフトウェア「XOOXY」開発するシーシー社が、特許事務所CBAに米国の連邦商標登録について相談している、というシチュエーションです。

 


35問目は、出願の区分についての問題です。出願での指定商品・指定役務の説明の英文に、もっとも合致する区分を1つだけ選ぶという前提で、「適切」な選択肢を選ぶ問題です。
この英文の意味がわからなくても、また選択肢に記載の区分のその内容がわからなくても、最初の単語を見れば解答できます

最初の単語は、「Providing」です。動詞の現在分詞形(あるいは動名詞の形)です。このことから、これは役務について書かれていると考えることができます。そして、選択肢の中で唯一役務の区分なのは、選択肢ウです。

よってウが「適切」で正解です。

念のため、英文と各選択肢に記載されている区分をみていきます。

まず英文。訳すと「商業使用用途ERP(企業資源計画)用のソフトウェア提供(オンライン上、ただしダウンロード不可)」というところでしょうか。

そして区分。選択肢ア。第25類「被覆及び履物」
選択肢イ。第9類「科学用、航海用、測量用、写真用、音響用、映像用、計量用、信号用、検査用、救命用、教育用、計算用又は情報処理用の機械器具及び電気式又は光学式の機械器具」
選択肢ウ。第42類「科学技術又は産業に関する調査研究及び設計、電子計算機又はソフトウェアの設計及び開発」
選択肢エ。第16類。「紙、紙製品、及び事務用品」

第9類、第16類、第25類は商品で、第42類は役務だとわかります。

まあ、この問題は、下手に細かいこと考えるより、①この説明英文が役務について書かれていることがわかり②選択肢の中から役務商標を選ぶ、というシンプル思考の方が、早く確実に正解にたどり着くことができたと思います。

 

 

36問目は、米国での商標の使用証明において、その商標の使用が使用証拠になるものについて、その「適切」なものの選択肢を選ぶ問題です。

選択肢アは間違いです。この場合は商標の使用にはあたらないと考えられています。
選択肢イは正しいです。この場合は使用にあたると考えられています。
選択肢ウは間違いです。この場合は商標の使用にはあたらないと考えられています。
選択肢エは間違いです。この場合は商標の使用にはあたらないと考えられています。

これらの選択肢の判断ポイントは、実際の商品・役務及びそれに直接関わるものごとに対して商標を使用しているかどうか、だといえると思います。

選択肢ア、ウ、エは、直接該当商品・役務が関わっているものごとではないと思います。それに対して選択肢イは「消費者がソフトウェアの概要を確認し利用できる」と書かれていますから、直接関わっているので、商標の使用証拠になると思います

 

 

37問目は、文字とデザインを組み合わせたマークを商標出願した場合の、登録される前のその商標デザインの変更について、「適切」な説明の選択肢を選ぶ問題です。
選択肢アは間違いです。文字とデザインを組み合わせたマークを商標出願したのですから、その出願後にデザインを変更するのは問題があり、連邦商標の登録に影響を与えかねません標準文字での出願よりも制約があるとされています(標準文字では、書体や色彩を変更した使用は問題ないようです。なお、漢字、ひらがな、カタカナでの出願は、標準文字にはなりません。米国ですからね。)。
選択肢イは間違いです。選択肢イのような条件であれば、出願商標のマイナーなデザイン変更は認められ、登録には影響ありません。
選択肢ウは間違いです。マドリッドプロトコルにおいて、出願した商標をその登録前にデザイン変更した場合、それは米国での連邦商標の登録に影響を与えます
選択肢エは正しいです。選択肢の文のとおりです。
よって、選択肢エが正しく「適切」なので、エが正解です。

第26回知財管技検定1級ブランド学科試験問題 自分学習用解説 33問目 34問目

第26回知的財産管理技能検定(4回目)1級ブランド専門業務学科試験の自分学習用解説 、今回は33問目、34問目です。



33問目は、中国の模造品対策についての会話で、「不適切」なものの選択肢を選ぶ問題です。

選択肢アは正しいです。選択肢の文のとおりです。
選択肢イは正しいです。選択肢の文のとおりです。
選択肢ウは正しいです。選択肢の文のとおりです。
選択肢エは間違いです。中国の商標法制度には、懲罰的損害賠償が導入されています。
よって、選択肢エが間違いで「不適切」なので、エが正解です。

 

 

34問目からは、米国の商標法制度の問題です。

34問目は、米国での商標権の移転譲渡手続についての、英文の空欄穴埋め問題です。

先に正解を書きますと、

選択肢ウの「the good will」になります。まあ、選択肢の中で、いかにも商標らしい語句はこの「the good will」だけですから、なんとなくこれを選んだ方もいらっしゃるかと、思います。

ちなみに、各選択肢の語句は、

選択肢ア「the profitability」は「収益性」と訳せばいいでしょうか。

選択肢イ「the good standing」は「優良な状態」と訳せばいいでしょうか。

選択肢ウ「the good will」は御存知、「グッドウィル、暖簾」ですね。

選択肢エ「the stability」は「安定性」と訳せばいいでしょうか。

ちなみに、問題文にある英文を訳しますと、「合衆国法典第15編第1060条(a) 登録商標又は登録出願申請中の標章は、その商標(標章)が用いられる商取引における[空欄]、あるいは、その使用に関係し、商標(標章)が象徴する、その商取引における[空欄]の一端と共に、譲渡されなければならない。」という感じでしょうか。まあこのくらいまで英文が理解できれば、空欄に「グッドウィル、暖簾」が入るとわかりそうなものですよね。

よって、選択肢ウが正解で「適切」なので、ウが正解です。

 

 

第26回知財管技検定1級ブランド学科試験問題 自分学習用解説 30問目 31問目 32問目

第26回知的財産管理技能検定(4回目)1級ブランド専門業務学科試験の自分学習用解説 、今回は30問目、31問目、32問目です。

 

30 問目からは、日本国外の問題になります。

 

30問目は、中国の杭州税関で商標権侵害疑義物品輸出貨物が見つかった場合の、その対応に関するX社社員の会話について、「不適切」な選択肢を選ぶ問題です。

選択肢アは正しいです。中国の話ですから、当然中国での「営業日」で計算します。
選択肢イは正しいです。現在では基本OEM製品「輸出」は、中国国内で流通しないので、よって商標権侵害ではないとされています。今回の場合、輸出者から商標権侵害ではないのになぜ差し止めたのかと訴えられる可能性があります。
選択肢ウは間違いです。輸出者が税関を相手どって行政訴訟がおこされた、つまり甲の発言3にあるとおり「税関と輸出者の間の訴訟」です。裁判当事者は、輸出者(原告)と税関(被告)になります。関係するからといってX社も裁判に参加する必要はありません

よって、選択肢ウが間違いで「不適切」なので、ウが正解です。

 

 

31問目は、中国の商標法制度について説明された文で、「適切」なものの選択肢を選ぶ問題です。

選択肢アは間違いです。「音楽」標識は商標登録できますが、「『単一』の色彩」については商標登録ができません
選択肢イは間違いです。中国では、商標権侵害訴訟は増え続けていて日本より多く、よって事前の権利調査や出願の必要性はむしろますます高まっています
選択肢ウは正しいです。選択肢の分のとおりです。
選択肢エは間違いです。馳名商標の認定は、該当する事件毎1回のみ有効です。認定された事件後の別の侵害案件には有効ではなく、馳名商標の認定を再び受ける必要があります。
よって、選択肢ウが正しく「適切」なので、ウが正解です。

 

 

32問目は、中国での意匠権についての説明の文で、「適切」なものの選択肢を選ぶ問題です。

なお、中国では、意匠は、特許、実用新案と一緒に「専利法」という法律にまとまって規定されています。
選択肢アは間違いです。中国では、意匠については、新規性は出願登録要件ではありますが、無審査主義のため、新規性の判断、審査はされません。ただし、権利付与、登録の後で、他者からの無効審判があった場合等で新規性が判断されます。
選択肢イは正しいです。選択肢の文のとおりです。
選択肢ウは間違いです。現在中国では「世界公知公用主義」を採用しています。
選択肢エは間違いです。中国での意匠権の存続期間は、「出願日から10年」です
よって、選択肢イが正しく「適切」なので、イが正解です。

第26回知財管技検定1級ブランド学科試験問題 自分学習用解説 28問目 29問目

第26回知的財産管理技能検定(4回目)1級ブランド専門業務学科試験の自分学習用解説 、今回は28問目、29問目です。

 


28問目は、日本における知的財産権侵害品の輸入差止めに関しての会話文で、「不適切」な発言の選択肢を選ぶ問題です。

 

選択肢アは間違いです。輸入者は、認定手続きの間だけではなく、その認定が、確定し税関が該当物品を没収するまでの間、疑義貨物の廃棄、滅却、任意放棄又は積戻しをすることができます。これを、輸入者による「自発的処理」といいます。

選択肢イは正しいです。選択肢の文のとおりです。

選択肢ウは正しいです。選択肢の文のとおりです。
選択肢エは正しいです。選択肢の文のとおりです。
よって、選択肢アが間違いで「不適切」なので、アが正解です。

 

 

29問目は、日本の税関での商標権侵害疑義物品について、開始された認定手続に対して提出された輸入者からの意見書についての会話文で、「不適切」な発言の選択肢を選ぶ問題です。

 

選択肢アは正しいです。選択肢の文のとおりです。なお、この選択肢の文で書かれていることが、フレッドペリー事件」裁判における「真性商品の並行輸入認定の三要件」と呼ばれるものです。
選択肢イは正しいです。選択肢の文のとおりです。
選択肢ウは正しいです。選択肢の文のとおりです。
選択肢エは間違いです。認定結果に対する不服申立手続はあります行政不服審査法の改正により、平成28年4月から税関手続に対する不服申立手続がかわりました。これについては、インターネット等で御確認ください。もしかしたら、その内容が次回の知的財産管理技能検定1級ブランド専門業務学科試験に出題される、かもしれません。

よって、選択肢エが間違いで「不適切」なので、エが正解です。